【デッキガイド】このデッキ…。もしかして”カニ”がかってる?!【青黒ミル:モダン】

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どもっ。MTG DiggingのNIMAMEです。

『カルドハイム』のカード情報が、ガッツガツと公開される日が続いていますね。僕はまだしっかりと目を通せていないんですが、皆さんどうでしょう。お気に入りの一枚は、もう見つかりましたか?

スタンダード目線と下環境を見据えて見るのとでは、元々その評価に大きな差が出るものではありますが、「全てのフォーマットを楽しく刺激的なものにしましょうね」ってのはやはり難しいのだろうなと最近感じています。

まあ、なにはともあれ僕らユーザーは配られたカードで勝負するっきゃないわけで。そんなこんなで、またまた起きるであろう様々な変化を楽しんでいきたいところです。

さて、前回に引き続きモダンのデッキを紹介します。

8匹のカニが織りなすハーモニー、『青黒ミル』をご賞味あれ。

青黒ミル

一昔前まで日の目を見ることはほとんどなく、『ライブラリーアウトをこよなく愛する一部のユーザー向けデッキ』といったところでした。しかし、ゼンディカーの夜明けで《遺跡ガニ》を得たことにより事態は一変。その強さは、モダンの一線級で戦うのに十分なものへと変化を遂げました。

デッキのキープ基準となるカードが8枚体制となり、その安定性は著しく向上。ロンドンマリガンも合わさり、かなりの高確率でロケットスタートを切ることが可能となっています。『ウルザトロン』などの特定のカードに依存した構築例に漏れず、このデッキもまた、現行のマリガン制度の恩恵を存分に受けているのです(ルーリングが変わらない以上、制度の恩恵は享受すべき!)

このデッキを選択する利点

最近のモダン環境は大まかに分け、《死者の原野》を使ったハイカロリーデッキ|《血染めの月》を搭載したデッキ|各種コンボデッキ&高速ビートダウンといった分布図となっています。

この中で『青黒ミル』は《死者の原野》を意に介さず、《血染めの月》もそこまで苦としません。また、コンボデッキにも(基本的に)有利がつくという観点から、現在のメタゲームにおいて良い立ち位置につけていると考えています。特に、メタゲームの中心として座している『ウーロパイル』にはすこぶる相性がよく、その他特定のカードに依存したコンボ系デッキや、キルターンの遅いデッキにも優位にゲームを進めることが可能です。

もちろん、『青赤果敢』などの面で攻める高速ビートダウンは厳しい戦いとなるものの、前述したようスタートダッシュの安定性が向上したことで、以前ほどの絶望感を感じることはなくなりました。カニが複数体並ぶことで、相手にも大きなプレッシャーをかけれるようになったのは大きなポイントですね。やはり、攻撃は最大の防御ともなります。

また、このような点に加え、いつもとは違った勝利条件を目指すのは新鮮で楽しいのでお勧めですよ。

デッキ構成

『青黒ミル』は上にあげたシンプルな構成のものから、《盗賊ギルドの処罰者》《空飛ぶ思考盗み》のならず者パッケージを採用したもの、《躁の書記官》を加えて昂揚の達成を目指すものや、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》のために緑をタッチしたものまで、いくつかのパターンが見られます。

ただ、一通り回してみた結果、ぼくはシンプルな構成のものが一番しっくりときました。カード一枚一枚が(シナジーを気にせずとも)単独でしっかりと力を出し切れるのは、この構成だと感じたのがポイントですね。

あと、やはり相棒の《夢の巣のルールス》は神がかっています。マジ神。

カード選択

ザックリと解説します。

✅中核となるカード

カニさん2種に加え、《催眠の宝珠》《書庫の罠》がこのデッキの勝利条件を目指す中心メンバーとなっています。ここは、どのパターンの構築でも変わらないところ。《遺跡ガニ》or《面晶体のカニ》or《催眠の宝珠》の、恒久的なライブラリー破壊手段があるかどうかが、初手の大まかなキープ基準となります。

このデッキで使えば実質《Ansestral Recall》となる、このカード。一度撃てば、その気持ち良さの虜になること間違いなしです。脳内麻薬ドバドバ。とはいえ、お膳立てをがなければただのキャントリップ。3枚の採用にとどめているリストもまま見られますが、それも理にかなった選択だと言えるでしょう。

✅その他

中核部分から一気に話が飛びますが、ほかフリースロットともいえるこの部分は、人によって結構な構築の違いが出ています。《致命的な一押し》《血の長の渇き》をフル搭載してアグロへの耐性を高めているものから、《外科的摘出》《根絶》《塵へのしがみつき》《魂標ランタン》をメインボードから多く採用し、コンボや墓地へのヘイトを高めているものまで、本当に多種多様です。

それを踏まえ、ぼくが採用しているカードについてお話します。

除去としても、カウンターとしてもカウントできるナイスカード。他のデッキで使うと脱出カード一枚でお役御免となってしまうことも珍しくありませんが、『青黒ミル』のこいつは信頼感バツグンです。とはいえ、リアクションスぺルで2マナは手札にかさばるため、3枚の採用。

この二種類がない構築も見かけますが、例えるならそれは《溶岩の撃ち込み》のない『バーン』。《彩色の宝球》のない『緑トロン』みたいなもの(例えが下手ですいません。笑)。つまり、なくても機能不全には陥らないけど、デッキの(少なくともメインボードの)ポテンシャルを高めるためには必要不可欠なカードってことです。

現在のマジック。特にモダンにおいては、守りを考えるよりも攻撃にパラメーターを振り分けたほうが好結果に繋がる可能性は高いです。『青黒ミル』は分類するならば間違いなく『対話拒否型』にカテゴライズされるデッキであり、腐ってしまう可能性が高いカードよりも、自身の勝利条件に直接的に結びつくカードを優先させたほうが良いというのが、ぼくの考えです。

✅土地枚数について

20~22枚の土地を採用しているのが、基本的な構成です。どれも試しましたが、迷ったら多めに採用することを推奨します。上記リストでは22枚の採用としていますが、23~24枚の構築も検討する価値があるでしょう。

相棒の存在やカニの誘発、《彼方の映像》からの複数アクションや《書庫の罠》の素撃ちなど、このデッキはマナフラッドを許容できる手段が複数存在しています。その反面、マナスクリューした場合は、にっちもさっちもいかない状況に陥りやすい側面も持ち合わせているのです。

最高のスタートダッシュとなるカニさんたちも、誘発条件である上陸を達成しなければ価値は大きく下がってしまいます。圧倒的にマナフラッドよりもマナスクリューで負ける展開のほうが多いので、土地の枚数に関しては声を大にして「多めの採用」を推奨します。

✅サイドボード

《夢の巣のルールス》を除き、”これ”といった構築に至ってないというのが率直な感想です。特に《不敬な遺品》にはかなり疑問を抱いていて、変更候補筆頭としています。

ライフを早期から攻めてくるデッキにサイドインするカードなのですが、見た目通りそこまで強くありません。特に最近は『バーン』が息をひそめており、主な仮想敵となるのは『果敢デッキ』。火力ではなく盤面で攻めてくるデッキのため、これを置いてちまちまとライフを回復したところで簡単に介錯されてしまいます。

ここは、軽量除去と入れ替えることで序盤を凌ぐほうが良いんじゃないかなと考えているところです。一方、《墓所への乱入》はゲームエンド級のとんでも回復をしてくれるので、3枚までの増量も視野(ただ、2枚目以降かさばるのが…)。

追加する除去の候補としては、《取り除き》が良さそうだと考えています。対プレインズウォーカー用サイドカードとしても期待できるのがグッド。ほか、《致命的な一押し》《血の長の渇き》《霊気の疾風》《神秘の論争》などを検討。全体除去を削って、ここ(単体対応)を充実させたほうが良さそうかなとも感じています。

特定のカードに依存したデッキへの取りこぼしを防ぐ役割と、墓地利用デッキ、およびサイドボードに《ガイアの祝福》などの専用メタカードを採用している場合に備えての必要枠。一時MO上で『青黒ミル』が流行った際は、至るデッキから《引き裂かれし永劫、エムラクール》が飛び出したりしていました。

ちなみに、専用メタカードとしては《太陽と月の輪》がマジ、ヤバいです。とてつもない絶望感。

【番外】豆知識

・最低一回は上陸させるよう、基本的にカニは2ターン目にプレイしましょう。しかし、初手から2枚以上所持している場合はガツガツと攻めちゃってください!

・《外科的摘出》は、よく考えてプレイしましょう。嵌まった際は即GGも狙えますが、そんなに世の中上手くいきません(基本的には弱いカード)。また、《彼方の映像》の条件も見据え、あえて墓地からは追放しないパターンもあります。

・《荒れ狂う騒音》は《不可思の一瞥》と違い、対象をとらないという利点があります。しかし、当然ながら削れる枚数が2枚違うのは大きな差。見えない恐怖(神聖の力戦など)に怯えるよりも、強いカードを優先しましょう。また、本当にごく稀ですが相手のライブラリー修復後にキッカーでプレイすることもあります。

マリガンについて

前述したよう、《遺跡ガニ》or《面晶体のカニ》or《催眠の宝珠》の恒久的なライブラリー破壊手段があるかどうかが、初手の大まかなキープ基準となります。ほか、《彼方の映像》+《書庫の罠》+《不可視の一瞥》or《荒れ狂う騒音》などのパターンもOK。きちんとゲームセットまでの道筋が見える手札かどうかが、判断の基本です。

呪文だけで削り切るのはあまり現実的ではないので、少なくともファーストマリガンは積極的におこなっていきましょう。《彼方の映像》と《夢の巣のルールス》のおかげで、マリガンによるリソース減はそこまで苦としていません。やっぱりヴィンテ級カードの威力はすさまじい!

サイドボーディング

あくまで1プレーヤーの考えとして、参考にしてください(正確性は保証できません)。同じアーキタイプのデッキであっても、相手が変われば対応も変わります。なにより、ぼく自身まだまだ試行錯誤中なのです。

✅『ウーロパイル』

IN:《魂標ランタン》3枚|《根絶》1枚

OUT:《致命的な一押し》3枚|《湖での水難》1枚

組みしやすい相手です。このデッキがメタゲームトップにいるからこそ、『青黒ミル』が輝く。

✅『死の影』『赤黒ミッドレンジ』

IN:《血の長の渇き》1枚|《バントゥ最後の算段》2枚|《墓所への乱入》1枚

OUT:《外科的摘出》4枚

一撃の重みがでかいため、《不敬な遺品》はサイドインしません。当然楽なマッチアップではないですが、より初速に勝る『果敢デッキ』よりはなんとかなることが多いです。

✅『オボシュレッド』『青赤果敢』

IN:《血の長の渇き》1枚|《バントゥ最後の算段》2枚|《墓所への乱入》2枚|《不敬な遺品》3枚|《霊気の疾風》2枚

OUT:《外科的摘出》4枚|《彼方の映像》2枚|《催眠の宝球》2枚|《荒れ狂う騒音》2枚

めちゃくちゃキツイです。正直、火力で攻める『バーン』のほうが組みしやすい。《不敬な遺品》を単体除去に変えれば、もう少しいけるかなって体感。

✅『原子のタイタン』

IN:《根絶》1枚|《霊気の疾風》2枚

OUT:《致命的な一押し》3枚

これも優位なマッチアップ。《血染めの月》の流行で数を減らしているのが残念なくらいです。

✅ヘリオッドカンパニー

IN:《血の長の渇き》1枚|《バントゥ最後の算段》2枚|《霊気の疾風》2枚

OUT:《彼方の映像》1枚|《外科的摘出》1枚|《荒れ狂う騒音》3枚

《太陽冠のヘリオッド》さえ抜いてしまえば、コンボを封じたうえビートダウンで負けることもそうそうありません。逆に言えば、盤面に登場してしまうとちと、厄介。

✅オールイン系(ベルチャーやThe Spy、トロン、ドレッジなど)

IN:《魂標ランタン》3枚|《根絶》1枚

OUT:《致命的な一押し》3枚|《血の長の渇き》1枚

『ドレッジ』相手には《墓所への乱入》もIN。『トロン』には、《血の長の渇き》をINしましょう(ランタンはいらない)。

✅ミラー

IN:《血の長の渇き》1枚|《根絶》1枚|《魂標ランタン》2枚

OUT:《催眠の宝球》4枚

カニを相手より引けることを祈りましょう。”カニがかった”方が勝ちます。

以上。

ここに載せているサイドボーディングは、あくまで僕が基本としているものです。その他、プレイなど含め意見や別の考えなどありましたら是非とも共有させてください!

最後に

癖が強いため決して手放しでお勧めできるデッキではありませんが、現在のメタゲームであれば『青黒ミル』を選択することは理外の判断ではないと思っています。数多くアーキタイプが存在するモダン環境の中で、決してポテンシャルが劣るようなことがないこと。それは間違いなく保証します。

ヘイトをためやすい戦略ではありますが、それはすなわち相手にとって戦いたくないデッキということ。思う存分、細部に至るまで丸裸にしたうえ勝利を手にしてください!

それでは、この辺で🧐 

最後までお付き合いいただきありがとうございます。

よき、MtGライフをお送りください。 ばいばい

(MTG Digging:NIMAME)

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