Weekly DECK Focus#1-Meow!アブザン狼etc.-

一昔前まで、週間デッキウォッチングという素晴らしい連載記事があったことをご存知だろうか?

筆者は、伊藤敦(通称“まつがん”)。

世界を騒然とさせたSuper Crazy Zooの産みの親であり、稀代のデッキビルダー。その溢れんばかりの才能は、時に(ほとんど)常人では思いもよらぬ思考へと飛び立ち…数多くの常識外デッキを生み出してきた、日本を代表する“鬼才”である。プレーヤーとしてだけではなくライターとしての活躍も有名で、現在もMTG公式でイベントカバレージの執筆を行なっている。

そんな「図抜けた才能」×「優秀な執筆能力」から生み出された連載がつまらないわけもなく。わたくしNIMAMEも、「いつか自分のデッキも取り上げてもらいたい!」と、小さな野望を抱えながら毎週の更新を楽しみに待っていました。

残念ながらこの連載は既に終了してしまっているのですが、先日Diggging読者の方から「週間デッキウォッチングのような記事を書いて欲しい!」というお言葉を頂きまして…。生意気ながらも、現在筆を執っているという次第で御座います。

参考とする記事が魅力的過ぎるものであったため、正直なところ全く自信は無く…。当然、本家である伊藤敦さんには到底及ばぬ力ながらも、自身もまたドキドキ出来るような魅力的なコンテンツとして成長していけるよう、Diggingの連載物としてこれから発信していこうと思います。

もちろん、完全に同じものを作り上げていこうと思っているわけではありません。本家記事が行なっていた、「 毎週面白そうなデッキを見つけて、各フォーマットごとに紹介していく 」という軸だけそのまま頂戴し、記事自体、文調自体はDiggingらしさを失わぬよう、 「週間デッキウォッチング 」ではなく、あくまで「Weekly Deck Focus」としてのけいせあを目指していきたいと思っております!

-それでは、記念すべき第一回‐

それぞれのフォーマットで気になったデッキを紹介しよう。

週間デッキウォッチング 」 の一節より

アブザン狼/Abzan Wolves by e_dubs

Standard League 2019-11-21, (5-0)

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エルフ、ゴブリン、人間…、構築での活躍を見せる種族こそ数多くいれど、「狼」を中心に組まれたデッキが姿を現したのはMTG史上初のことかもしれない。

数多くの「狼」の姿が目に付きますが、デッキの主戦略は意外にもビートダウンではなく除去ミッドレンジ。《屈辱》に加え、《意地悪な狼》、《狼の友、トルシミール》、そして2種プレインズウォーカーが、対戦相手の盤面にクリーチャーの定着を許しません。

《屈辱》は最近めっきり姿を見なくなっていたカードですが、《パンくずの道標》や《創案の火》を処理出来ることからも、現在のメタゲームに合致した万能除去であると言えるでしょう。

一際目を引くカードが、《抜け目ない狩人》です。彼女が攻撃できる盤面さえ整えることが出来れば、継続的に「食物」を供給することが可能。長期戦にもつれ込んだ場合も、《金のガチョウ》と組み合わせることによってアドバンテージ勝負を制することが出来るのが非常に強力ですね。もしかすると次の《パンくずの道標》枠(隠れた強カード枠)となるのはこのカードかもしれません。

「抜け目ない狩人」の画像検索結果

《王冠泥棒、オーコ》の退場によって居場所を失いかけていた《意地悪な狼》も、このデッキならばその真価を最大限に発揮します。《狼の友、トルシミール》とのコンボは、一度決まればそのままゲームセットと成りうる凶悪な動きですね。

このデッキを始めとし、スタンダードにはまだまだ新たな発見。ドキドキとワクワクが眠っていることでしょう。

ゴロスマーベル/Golos Marvel by 松本 友樹

第1期パイオニア神挑戦者決定戦(スイスラウンド8位)

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またまた、彼がとんでもないものを生み出してくれました。

松本ハーレー】を始めとし、独自の思考を持ったデッキを数多く発信してきた松本友樹選手が、新フォーマット「パイオニア」においても、その魅力を全面に押し出してくれたのです。

デッキの目指すところは、至極単純。当時スタンダードを騒がせた迷勝負製造ガチャ、《霊気池の驚異》を起動するか、《不屈の巡礼者、ゴロス》の能力によってデッキに眠る当たりを狙っていくだけ。

順調に回れば4ターン目に《絶え間ない飢餓、ウラモグ》or《約束された終末、エムラクール》を唱えることが可能で、それは=ゲームの終了を意味します。

大技ばかりに目を向けてしまいますが、脇を固めるカード達も優秀です。特に、《つむじ風の巨匠》はプレイングの差がよく出るカード。《霊気池の驚異》が引けなかった際の別の勝ち手段として、そしてゲームを自分のレンジまで持ってくるための壁の役割として、孤軍奮闘の活躍を見せてくれます。

「つむじ風の巨匠」の画像検索結果

メインから全体除去を4枚採用しているのも、アグロデッキが上位を占めるメタゲームにおいて良い選択でしょう。《コジレックの帰還》が最大限活用出来るのも、このデッキの強みですね。

このデッキが気になった方は、是非デッキテクのほうも読んでみましょう。マジックを心から楽しんでいるのが伝わる彼のインタビューは、初心者から上級者まで全プレーヤーが見習うべき素晴らしい姿である。筆者も、個人的に大好きな選手です。

現状、「黒単アグロ」の活躍ばかりが目に付くパイオニアですが、きっとこれから「ゴロスマーベル」のような魅力的なデッキが数多く誕生していくことでしょう。

最後に、リストをひと目見て魅了された筆者がMOリーグで1-4したことを追記しておこう。まだまだ、プロプレーヤーからも“不思議キャラ”として愛されている松本選手の思考には到底追いつけないようだ・・・。

Meow! サヒーリコンボ/Saheeli Combo by Toshiki Nagai

スパワールド杯『モダン』6位

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「世界の大温泉 スパワールド」で開催されるということで注目を集めた、「スパワールド杯」。そのモダン部門で入賞したのが、こちらのデッキ。

その戦略の軸となるのは、ご存知『サヒーリ・コンボ』です。一般的には《守護フェリダー》による無限トークンを狙うのがコンボの基本ですが、このデッキには追加のコンボパーツとして《太陽のタイタン》が採用されています。

こちらのルートは、2枚の《サヒーリ・ライ》が墓地に落ちているか、1枚が墓地で1枚が戦場にある状況で《太陽のタイタン》を出すことによってコンボが始動します。《サヒーリ・ライ》を戦場に戻し、《太陽のタイタン》をコピー→そのコピーがもう1枚の《サヒーリ・ライ》を戦場に戻し、最初の《サヒーリ・ライ》はレジェンドルールで墓地に落ちる→あとは好きな数の《太陽のタイタン》を生み出という流れですね。《守護フェリダー》に比べてスピードは落ちますが、数さえ揃っていれば実質 《太陽のタイタン》 一枚コンボのようなものなので、長期戦となるゲームでは十分に達成を見込むことができます。

単純に《太陽のタイタン》自体のカードパワーが高く、コンボパーツ以外に採用されている各種強力なプレインズウォーカーの面々からも、コンボが阻止され長引いたゲームにおいても絶対に主導権を渡さないぞ!という、強い意思が感じられます。

サイドボードは《減衰球》を除いて全て一枚挿しになっているなど、製作者のやりこみ具合が見て取れます。調べてみると、Nagaiさんは他にも『サヒーリ・コンボ』で結果を出されているようで(晴れる屋参照)。やはりモダンは、デッキへの愛とやりこみが実を結ぶフォーマットなのでしょう。是非、これからも最高の《サヒーリ・ライ》デッキを追いかけていって欲しいですね。

エスパーヘイトベアー/Esper Hatebears by Bahra

Legacy League 2019-11-23, (5-0)

“謎”

おびただしい数の一枚刺しカードの山に、サイドボードには《意志の力》が4枚。

皆様、このデッキがなんなのかわかりますか?私にはわかりません。

メインボードにキラリと光る、《目くらまし》と《金属モックス》がその謎を更に深めていますね。

こういったデッキには定番として採用されている《スレイベンの守護者、サリア》や《ファイレクシアの破棄者》の姿もなく。《レンと6番》禁止前であることからタフネス1を嫌ったかと思えば、《ルーンの母》を筆頭に該当するクリーチャーがぞろぞろと・・・。

う~ん、謎は深まるばかりですね。

しかし、MOリーグで5-0するからにはデッキの力は間違いなくあるはず。きっと、製作者は私の理解が及ばない高次元で《護衛募集員》や《翻弄する魔導士》を使い込んでいるのでしょう。

「ヘイトベアー」は古来より、乗り手に高レベルのプレイングを要求するデッキ。腕に自信のある方は、是非この謎を解き明かす研鑽を行ってみて欲しい。

終わりに

いかがだっただでしょうか。

十人十色という言葉があるように、デッキにもプレイヤーの数だけ物語がある

是非、この記事を読んでいる読者の方々にも自分だけのストーリーを紡いでいって欲しいものである。

それでは皆様、また次の記事でお会いしましょう。

Enjoy MAGIC!!!!!

- 伊藤敦(まつがん) さんに最大限のリスペクトを込めて―

(Written by NIMAME)

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