【翻訳記事】A Food Fight in Richmond, and How to Beat the Mirror-フード・ファイト!ミラーマッチの制し方-

Standard

BY MARTIN JUZA / NOVEMBER 13, 2019 原文はこちら

Oko, Thief of Crowns MTG Standard

リッチモンドに到着した時点で、絶対に《王冠泥棒、オーコ》を使用することを心に決めていました。

「食物」シナジーを中心としたデッキは他を寄せ付けぬ強さを持っており、どのデッキも明確な優位を築く事は出来ません。確かに、時々新しいデッキが登場してはこれを打ち破ることはありますが、備えさえあれば問題無用。「食物」デッキには、全てを打ち負かすことが出来る引き出しがあるのです。

Oko, Thief of Crowns

我々のチームでは、SimicとSultaiの二つの案が上がりました。

これが、Siggy、Sam Pardee、Ben Weitz、BK、Matt Nassが使用したSultaiの雛形リストです:

広告

Sultai Food

メインボードの56枚が固定となっており、残り4枚がフリースロット枠です。ここに、《ゴルガリの女王、ヴラスカ》、《戦慄衆の指揮、リリアナ》、《人知を超えるもの、ウギン》、《戦争の犠牲》、《虐殺少女》などを組み合わせて採用するのが一般的となっていましたが、私たちはそのどれも気に入る事が出来なかったので、まずは1~2枚の土地を追加するところから調整を始めました。その後、メンバーの中から《願いのフェイ》はどうだろう?という、なんとも素敵なアイデアが飛び出してきたのです!少し悠長な発想に思えるかもしれませんが、これによって前述したカードや《古呪》などを含む、実に効果的な “ツールボックス戦略”を取り入れることに成功しました。1/4という本体スペックは、アグロデッキに対しても十分ブロッカーとして機能します。

これ以外に気に入ったのが、シンプルなSimicカラーの型です。こちらもおおよそ56枚が固定枠となっているため、いくつかのフリースロットを利用することが出来ます。《集団強制》は、ミラーマッチ、特にSultaiに対して非常に強力なカードです。多くのバウンス手段を有しているSimicに対しては効果が薄くなりますが、ゲームは基本的に長期戦へともつれ込みますし、その末にX=2以上でプレイすることが出来れば、勝敗を決定付けるのに十分です。唯一の問題となるのが、《夏の帳》の存在ですね。

これが、Simic Manipulationの雛形です:

Simic Food

私もSimicをプレイしようと決めたのですが、一番気に入ったのは「八十岡翔太」がMPLで使用していた型でした。《厚かましい借り手》、《探索する獣》、そして《総動員地区》を採用することで、よりアグレッシブに攻める事が出来る構成です。

これが、私のリストです

Martin Jůza’s Simic Food

この型は、Jeskai Fires、各種Cat-Oven、《エンバレスの宝剣》が一定数いることが予想されるメタゲームにおいて優れた選択肢だと考えています。私のメタゲーム予想では「Food」は全体の45~50%程度であり、残りは《王冠泥棒、オーコ》を倒すためにこれらのデッキが選択されるだろうと考えていたので、その裏をかけることも期待したのです。

しかし、私は二つの理由で間違いを犯していました。一つ目に、これらのデッキが実際は《王冠泥棒、オーコ》に対してそれほど有利ではないことを、参加プレーヤーの大半が既に理解していたこと。そして二つ目は、「Food」がメタゲームを占める割合が70%近くにも達したことです。これほどまでに偏ったメタゲームは前代未聞です。EnergyとHogaakでさえも40%程の占有率であり、その数字でさえも異常事態だと言われていたのです!

私はミラーマッチに対して4-3、《王冠泥棒、オーコ》以外のデッキに対しては2-1という成績を残しました。ミラーマッチに関しては、片方のプレーヤーが《金のガチョウ》-《王冠泥棒、オーコ》-《世界を揺るがす者、ニッサ》-《ハイドロイド混成体》という一方的な展開を見せる場合を除けば、ほとんどはプレーヤースキルの介入が多分にある非常に面白いゲームとなります。状況判断とマリガン判断こそ、優位を築くための大きなポイントになるのです。

例えば、調整中に次のような状況が発生しました:

  • Siggyは1ターン目《金のガチョウ》-2ターン目に《王冠泥棒、オーコ》をプレイ
  • 対するBen Weitzは、1ターン目《金のガチョウ》-2ターン目に《王冠泥棒、オーコ》に対して《害悪な掌握》をプレイ
  • Siggyは3ターン目にアンタップし、追加の土地をプレイ

以下が、その時点での状況です:

  • Siggyの盤面:3枚の土地、金のガチョウ、食物トークン
  • Siggyの手札:意地悪な狼、世界を揺るがす者、ニッサ、ハイドロイド混成体、森、島
  • Benの盤面:2枚の土地、金のガチョウ、食物トークン
  • Benの手札:5枚の不明なカード

ゲームを見ていたうちの何人かは、ここで《意地悪な狼》をプレイしてBenの《金のガチョウ》を処理するのが最も良いプレイであると考えました。しかし、私はその選択が良い判断であるとは思いません-確かに、“ガチョウを殺せる時はすぐに殺せ”というのがプレイの基本ではありますが、ここで《意地悪な狼》をプレイするためには自身の「食物」を犠牲にする必要があります。それはつまり、自身の《金のガチョウ》も実質的に死んでしまうことと同意なのです。

この選択はつまり、その後2ターンが次のような展開になる可能性があることを意味します:

  • Benはアンタップし、3枚目の土地と《楽園のドルイド》をプレイ
  • Siggyはアンタップし、4枚目の土地をプレイ。《金のガチョウ》で「食物」トークンを生成するか、2/2の《ハイドロイド混成体》をプレイしてカードを1枚引く
  • Benはアンタップし、《世界を揺るがす者、ニッサ》をSiggyより先にプレイ。彼に大きなアドバンテージがもたらされます

3ターン目のハンドと状況を考えると、土地をプレイしてターンを渡すほうが良い選択肢だと思います。もしBenが《王冠泥棒、オーコ》、または他のマナクリーチャーをプレイした場合、ターン終了時に「食物」を生成-アンタップして4ターン目に《世界を揺るがす者、ニッサ》をプレイ-土地をクリーチャー化してBenの《王冠泥棒、オーコ》に攻撃-次のターンに大量のマナから《ハイドロイド混成体》をプレイすることが出来ます。こうなると、ゲームは非常に優位なものとなります。

もしBenがこちらの《金のガチョウ》を《意地悪な狼》で処理してきたとしても、そのためには盤面にある唯一の「食物」を犠牲にする必要があります。ここで《金のガチョウ》を起動しておけば、こちらの盤面には「食物」が二つ。4ターン目に土地をセットし、《意地悪な狼》をプレイして相手の狼と格闘、自身の能力を起動しても、盤面にはもう一つ「食物」が残ります。この時点で、Benの盤面には3枚の土地と「食物」がない《金のガチョウ》。こちらには4枚の土地が並んでいるため、先に《世界を揺るがす者、ニッサ》をプレイ出来ることが保障されます。

このような状況はミラーマッチで優位を築くための重要なターニングポイントであり、プレイしているのがSultaiなのか、それともSimicなのかということはそれほど重要な意味を持ちません。どちらにも長所と短所があり、決して劣っているカードを採用しているというわけではありません。それらは全て異なる場面で良くも悪くもなるのです。

優位を築くための別のポイントは、マリガンの判断です。

ミラーマッチにおける次のハンドについて考えてみましょう:

先手でも後手でもこのハンドをマリガンします。高コストのカードばかりですし、それをプレイするための土地も足りず、更にはプレインズウォーカーもありません。これらは全て、ミラーマッチを制するのに必要不可欠な要素です。

《ハイドロイド混成体》は、決して初手に欲しいカードではありません。《金のガチョウ》or《楽園のドルイド》、もしくは《むかしむかし》、そして十分なだけの土地とプレインズウォーカーが揃っている初手を求めましょう。

もちろん、常に2ターン目《王冠泥棒、オーコ》、3ターン目《世界を揺るがす者、ニッサ》と動ける初手を手にすることは出来ません。

初手判断の例を挙げると、4枚の土地、《金のガチョウ》、《楽園のドルイド》、《意地悪な狼》といった内容は十分キープ基準を満たしています。なぜなら、毎ターン土地をセットしながらアクションができ、そして相手への干渉手段も持ち合わせたうえで、ドローしたカードをマナカーブに合わせてプレイしていくことが期待できるからです。

私からのベストアドバイスを送りましょう:数多くのミラーマッチを行い、全ての重要なプレイパターンを発見し、それが何故重要なのかをしっかりと理解して下さい。それをクリアすることが出来れば、もう上積みはほとんどありませんので、新たに100マッチをプレイするような必要はありません。

「Food」は、どのバージョンも非常に優れたデッキであることが明白です。そのため、Sultaiが好きで除去を多めに採用したい場合はSultai。《集団強制》が好きで、よりシンプルな型、そしてアグレッシブなデッキが好きな場合はSimicをプレイしましょう。

もしも《王冠泥棒、オーコ》を採用した別のデッキを探しているのならば、ここにきて姿を現したSultai Sacrificeが良いでしょう。MCのTop8には残ることが出来ませんでしたが、GPのTop8には優勝者も含め、これを選択した4名のプレーヤーが入賞を果たしています。

Sultai Sacrifice

Abe Corrigan, 1st place GP Richmond

このデッキには、《金のガチョウ》+《王冠泥棒、オーコ》のコンビに加え、《大釜の使い魔》+《魔女のかまど》+《パンくずの道標》のシナジーが組み合わさっています。理論上、多くの戦略を組み合わせたプレイをすることが可能で、他の《王冠泥棒、オーコ》デッキに対して良い相性を誇っているといえるでしょう。《世界を揺るがす者、ニッサ》+《ハイドロイド混成体》のコンボを採用していないことに関して少し懐疑的ではありますが、このデッキが有するシナジーは間違いなく強力なものであり、全体のマナカーブもグッと低いものになっています。今週のストリーム配信でこのデッキを試し、実力が本物であるかどうか確認してみたいと思います。

今週末開催されるGP Sao Pauloに参加するので、私も何をプレイするべきなのか把握する必要があります。よりアグレッシブなデッキを好む傾向があるので、現状はSultaiよりもSimicをプレイすることに気持ちが傾いています。また、《探索する獣》が活躍するのにふさわしいタイミングが訪れた気配もします。

MCで使用したところ、《厚かましい乗り手》からはあまり良い感触を得る事が出来ませんでした。そのため、次回からは《霊気の疾風》を4枚採用するつもりです。《霊気の疾風》は《王冠泥棒、オーコ》ミラーにおいて非常に効果的なカードなので、これを2枚に止めてしまったことは大きな間違いでした。

フォーマットを「Food」が完全支配している場合には《集団強制》も良い選択ですが、Sultai Sacrificeに対してよくありません。このカードで盗むことが出来るのは、クリーチャーとプレインズウォーカーだけであることを留意して下さい。《魔女のかまど》は、ターゲットとなったクリーチャーが洗脳されるのを妨げぐことが出来ます。そして、Sultai Sacrificeは《世界を揺るがす者、ニッサ》も、《ハイドロイド混成体》でさえも採用していないので、《集団強制》を唱えるべき素晴らしいターゲットはほとんど存在しません。

サイドボーディングは、対戦相手がどの型を使用しているかによって大きく変わります。私が伝えられる最善のアドバイスは、《集団強制》に対して《夏の帳》をサイドインする場合を除き、ミラーマッチにおいてサイドボーディングを必要としないようにメインボードを構築するということです。もし《集団強制》をプレイされなければ《夏の帳》は平凡なカードに成り下がりますし、マナカーブ通りにカードをプレイしなければすぐに後手へと回ってしまいます。

《エドガーウォールの亭主》と《エンバレスの宝剣》に対するマッチアップでは、サイドボードにいる《大食のハイドラ》が非常に良い働きをします。《打ち壊すブロントドン》は、《エンバレスの宝剣》に対してはもちろんのこと、《荒野の再生》とJeskai Firesに対しても有効に働きます。《濃い煩いの野獣》は、赤いデッキが数を潜めている現在、それほどの価値を持ってはいません。

サイドボードの残りの部分は、かなり直感的なものです。《荒野の再生》や《創案の火》などのコントロールデッキ相手には《意地悪な狼》を、序盤から攻め立ててくるアグレッシブなデッキに対しては、《霊気の疾風》と《厚かましい乗り手》をサイドアウトします。

もし《集団強制》を追加する場合は、《総動員地区》を別の土地に変更し、青マナソースが十分に確保されていることを確認して下さい。

話をまとめると、Sultaiは《虐殺少女》にアクセスすることが出来る点で「Adventure」デッキに対してより優れており、純粋なSimicカラーの型はコントロール、そして《王冠泥棒、オーコ》以外のデッキに対してより優れています。また、ミラーマッチにおいては《戦争の犠牲》よりも《集団強制》の方が優れたカードであると考えています。

《探索する獣》は、《意地悪な狼》が数を減らしている場合にのみ真価を発揮します。

《むかしむかし》で探すことが出来るため、《集団強制》の代わりに《裏切りの工作員》を採用するほうが良い可能性もあります。しかし、欠点としてこのカードは対象を1つしか取ることが出来ません。再利用するための《時を解す者、テフェリー》もデッキには入っていませんので、長期戦にもつれる場合は《集団強制》のほうがより価値の高いカードとなるのです。

いつものように、私のTwitterと配信先のリンクを置いておきます。

Twitch – https://twitch.tv/martinjuza

Twitter – https://twitter.com/MartinJuza

Youtube -https://www.youtube.com/c/martinjuzamtg

(Translated by NIMAME)

*MTG Diggingでは、随時ご要望をお待ちしております。 こんな題材が欲しい、この記事を翻訳して読みやすくして欲しいといった希望がありましたらお気軽にご相談下さい。      

コメント

タイトルとURLをコピーしました