【カードレビュー】イコリア：巨獣の棲処 その2

どうも。Mtg digging編集部のUs_Apartです。

 

さて、我らMtg diggingによる『イコリア：巨獣の棲処』のレビューは2回目になるんですが、1回目はNIMAMEくんが書いてるので興味があればそちらも是非。

 

1回目のレビューは発売前のものでしたが、俺は発売後数日で使ってみた感触を含めて書こっかなー。俺は新セットが出ると弱かろうが、強かろうが、大体なんでも面白さマックスのおめでたい系脳みその持ち主なので、例によってレビューもめでためでお送りしていきます。

 

《深海の破滅、ジャイルーダ》☆期待値：５・０

このカードは新しいキーワード能力である、『相棒』という能力が採用されています。この能力は要するに「デッキの中身を制限する代わりにいつでもゲーム外からこのカードを唱えていいよ」という能力で、これが今までのマジックにはない能力で俺は非常に楽しんでいるんですが、その「毎ゲーム同じカードがキャストできる（可能性が非常に高い）」っていう能力の特性が世間では賛否別れてるみたいです。

 

まあ、そりゃそういう意見も出ますわな。だってデッキに同じカードを4枚入れたり、ドローソースで探したり、サーチカードを使ったり、あの手この手を使っても特定のカードを毎ゲームキャストするってのは普通できないですから（できたらコンボデッキしか勝ちません）。相棒のカードもコストが足りなかったりしたらキャストできないので、相棒を仕込んだら必ずキャストできるかっていうと当然そうでもないんですが、その確率の高さよ。

・スタン以外で相棒を使えなくする
・スタン以外のマリガンを元に戻す
どっちかした方がいいと思う。相棒のシステムが、広いカードプールだと合ってない。

マジックに毎回同じゲーム展開は望んでない。100%成立するコンボなんて作業になってしまうから、カードの強さを安定性に求めていったらあかん。

— Masashiro Kuroda (@masashiro41236) April 20, 2020

 

で、その相棒の中でもスタンダード始め、レガシーなどでも暴れてるのが《深海の破滅、ジャイルーダ》です。こいつは既にガッツリ活躍してるカードなので、解説不要かもしれませんが、一応、どんな挙動をするのかっていうと、こんな感じ。

ジャイルーダ予告編
30分ぐらいで作った pic.twitter.com/T2MviDbCGc

— けみこ (@Chemiko1) April 17, 2020

 

とにかくマナ加速して、《深海の破滅、ジャイルーダ》を出せば、それであとはお祈りするだけ。《灯の分身》《深海住まいのタッサ》《光明の繁殖蛾》辺りがめくれるとボーナス継続。動画の通りに一撃ライブラリーアウトもあり得ますが、そこまで繋がらずとも、《深海の破滅、ジャイルーダ》のコピーが3〜4体でちゃいさえすれば返しでライフを削りきれます。

 

動画ではスタンダードのデッキでしたが、レガシーではクローンの役割を持ったカードも強力豊富、6マナまで到達するためのマナ加速も強力、《深海の破滅、ジャイルーダ》を通すためのバックアップ（以下の画像では《魂の洞窟》）も強力。つまり、、、

Nothing to see here, just casual Turn 1. #MTGLegacy pic.twitter.com/hVoA3HFrjj

— Joseph Dyer (@volrathxp) April 18, 2020

はい（勝ちました pic.twitter.com/o1xaIfOZhi

— りぜぷる (@reseple) April 18, 2020

 

レガシーに至ってはマジで1ターンキルが横行してるみたいですね（現在はMOの不具合で一時的にMOでのみ《深海の破滅、ジャイルーダ》が禁止になってるそうです）。スタン、レガシーのこのヤバい動きから、巷では「MTG3が始まった」なんて声も多く、早くもフォーマットによっては禁止を危ぶむ意見が囁かれています。

相棒がどのくらい各フォーマットに影響を与えているのか、直近のMO競技イベントを調査。

スタン:チャレンジ1回
パイオニア:PTQ1回
モダン:チャレンジ1回、PTQ1回
レガシー:チャレンジ1回

上記イベントのトップ8が集計対象。

とりあえずMTG1が終了したことはわかった。 pic.twitter.com/2eHlefE07l

— kenta harane (@jspd_) April 20, 2020

 

こういう意見も多いのですが、個人的には禁止カードや禁止カードになるレベルのカードパワーを持つカードは大好きで、記憶に新しいところだと《王冠泥棒、オーコ》、古くは《精神を刻む者、ジェイス》まで非常に大好きなカードが多く、それらの禁止カードを楽しく使ってきました。

 

多くの場合そういうカードが環境に溢れてくるとカード自体にヘイトを集まり出して、それが一定まで溜まった段階で「クソカード」「つまらない」「禁止しろ」などなどそういった意見が多く見られるようになるのが相場なのですが、俺はそれらの意見とは別の考えを持っていまして、そういう「壊れカード」がもたらす新しいゲーム展開をキャイキャイ楽しんでいますし、好きです。

 

それらの「壊れカード」はそのカードパワーから環境を同一化、均一化してしまったり、対策が難しいことからゲームが一方的なものになり、いわゆるクソゲー化させてしまったり、多くの弊害があるのも分かりますし、その状況に文句をいう人の気持ちも分かりますが、俺はウィザーズを結構信用してまして、というか、かなり絶大な信頼を寄せているので、そういう環境を何かしらの意味合いで不健全にするカードは必ず禁止にして、環境を健全に戻してくれると思ってるんすよね。

 

だからどうせ禁止になってまた健全な環境に戻るなら、それまでの間「ぶっ壊れた動き（環境）を堪能したい」そう思うことが多いです。MTG2とかMTG3とかそういう巷の表現を借りるなら、「どうせすぐ戻るんだからたまにはMTG2も面白いじゃーん」くらいに考えてます。

 

実際、俺の周りのマジック仲間と飲み会に言ったりすると、

 

「MOMAの冬はとにかくクソゲーだった。」

「頭蓋骨締めでアホほどドローしてヤバかった。」

「神ジェイスが一回着地するとまず逆転できなかった。」

 

とか楽しそーに話すんですよね。あ、俺とか俺の周りの人間だけかも。。。こういう禁止レベルのカードが存在する期間って、間違いなく環境は荒れてるんですが、見方を変えると「特別な環境」だとも取れませんか。俺や周りの連中はそういう特別さを楽しんでいるようにも感じます。

 

ですので、俺個人の意見としては禁止とか恐れて、無難なデザインのカードばっかり刷られるより、多少の禁止カードを排出してしまったとしても攻めたデザインをしてくれるマジックの方が好きですし（どーせヤバいカードはすぐ禁止になるしね）、そういう姿勢のウィザーズをとっても信頼してます。

 

まあ、考え方は人それぞれ。カードはタダじゃないので、禁止になって居場所が狭くなり価値が下がってしまったりしたら、そりゃあ不満も出るでしょうし、そういう状況に文句を垂れる気持ちも分からなくはないです。一時的でも環境が荒れるのを嫌う人もいるでしょうしね。なのでそういう考え方も大いにアリでしょう。怒るのも仕方ないな、とも思います。

 

ですが、俺も揃えたカードが短期間で禁止になって、価値が暴落した経験くらいありますが、割と「短い付き合いだったけど、お前との時間、、、悪くなかったぜ」くらいの感じでした。せっかくマジックは楽しいゲームなんだから、楽しめるなら楽しんだ方が良いじゃんって考え方っす。

こんな感じ、、、違うか。っていうかガッシュすげえ面白いよね。

 

実際のところ、《深海の破滅、ジャイルーダ》やその他相棒関連のカードが禁止になるのか、否かはまだ俺の知るところではありませんが、もしかするとこれらのカードが環境にいられる時間はとっても短いのかもしれません。

 

俺はもし奴らが環境を壊してしまう存在なのだとしたらウィザーズが必ず禁止してくれると信頼してるので、その場合、禁止されるまでの特別な一時を楽しもうと思いますし、（今後対策が開拓されたりして）禁止を免れるならちょうど良いレベルのパワーカードでウィザーズの良調整だったってことでしょう。

 

《常智のリエール》☆期待値：１・０

ワクワク枠で採用。如何にもイゼットって感じの上部の修正能力、まずは打点良し。そして次の能力が更なるワクワクを加速させる、、、！この能力は今回のセットでフィーチャーされているサイクリングと相性抜群っす。サイクリングって「このカードを捨てて一枚引く」って能力なので、下の「一枚以上捨てるたび」ってトリガーが引けるんすよ、、、

 

「だからなに？」

 

って感じたのは俺だけじゃないと思いますが、その辺が如何にもクソデッキ向けのソレって感じがして、それがまたたまらなかったり、そうでなかったり。漢心ってのはいつだってそんな複雑さを孕んでいると、俺はそう思いますよっと。

 

一応、使うならこんな感じのデッキで使ってみたら面白そうだと思いますが、もうちょっと相性が良いカードが増えてから使うのがより乙な気がしますね。

 

《さまよう怪物、イダーロ》☆期待値：４・０

こいつもワクワク枠ですね。《孤光のフェニックス》に通ずる踏み倒しコストが漢心くすぐります。《常智のリエール》でサイクリングを実質2ドローにしたり、《聡明起こし、ザーダ》でサイクリングコストを軽減させて、ゴリゴリデッキを掘り進めたり、妄想が捗る相方候補が一緒に登場してくれたのはありがたいです。

その上、踏み倒し条件は「同名カードを4回以上サイクリングしていたら」なので、5回目、6回目のサイクリングもトリガーになり、踏み倒しが可能です。速攻とトランプルまで持ってくれているので、いきなりこれが2体登場したら、ゲームエンドレベルの驚異、、、、！まあ、これも俺の貧困な発想だと、現状「だからなに？」系のカード止まりなのですが、ここからスタンダードに相性の良いカードが出てくれることを祈るばかり。

 

この記事を書いてる時点ではこのカード（通常盤なら）300円前後で手に入るみたいなので、安価なうちに手を出してみるのもありかもしれません。能力の特性上、使われ出したら必ず4枚採用されるでしょうから使われたら通常レアの割にはそれなりに値上がりしちゃいそうです。庵野監督好きの俺としてはシンゴジライラストの方がクールなので、俺が買うとしたらちょっと高くてもこっちの方に手を出しちゃいそうですね（まあ俺はアリーナ専門なのでリアルのカードは所持しないんですが）。

 

《死の頂点、ネスロイ》☆期待値：１・０

現状、俺がみる限り構築では全然見かけないカードのネスロイさん。というか、「変容」ってキーワード能力自体ちょっと不遇で、今んところ《海駆けダコ》以外は全然構築では使われてなさそうですね。

 

「変容」の神話レアサイクルのカードたち全てそれなりのサイズを持っていて、それ自体は嬉しいことなんですが、変容コストもちょっと高いし、他のクリーチャーを用意していないと変容のトリガーも引けないので、地味に使うのが難しく設定されています。

 

例えば、この《死の頂点、ネスロイ》をデッキで使うとしたら、ネスロイ以外に変容カードをそれなりの数、採用しない限り7マナ揃えることが変容の最低条件になります。ですが、7マナ揃えるのも大変なのに、他にクリーチャーを用意しないといけなかったり、対応して変容先のクリーチャーを殺されると肝心の変容能力は誘発しないし、、、

 

能力自体は非常にロマンあるもので、こういうP/Tの表記は0/0だけど、場に出るときはそれ以上のサイズがあるクリーチャーたちを墓地に落としておけるなら、何体でもクリーチャーをリアニメイトできたりしますし、こういう+1/+1カウンターが乗って出てくるカード自体が変容クリーチャーと相性が良いです（被せたときにサイズが上がるため）。

こういう風に「強く使うとしたらこんなシナジーがあるよね」って妄想はわくのですが、結局現状デッキとして成立するまでは至らない。難しいところっす。

 

「変容」はリミテッドではそれなりに活躍する能力なので、使っていて楽しいんですが、ちょっと諸々条件がキツくて厳しそう。ですがそう分かっていながら、どうしてもクソデッキの構想を練ってしまうのはカードが魅力的だからでしょうね。

 

要するにこのカードに注目しているってことですね。ロマン度は高いですし、もしかするとまだ世の中が気づいていないだけでコイツらには秘めたる強さがあるのかもしれません（もしそんな俺の期待が幻想で、変容が構築に活躍の余地がなかったとしても、変容の面白さはリミテで味わえます。とってもオススメー！）。

 

《悪魔の職工》☆期待値：４・５

現状、お値段的にはトップレアの扱いのカードで、早速ラクドスサクリファイスや黒単に居場所を見つけており、P/T修正にサーチ能力までついた2マナとは思えないてんこ盛り具合。このガチャガチャ具合がたまらない。。。

 

非常に贅沢なカードですが、下の能力が大きいマナで使う前提だと気持ちもっさりした印象があるので、クロックとしても十分に役割があり、少ないマナの起動が重宝するラクドスサクリファイスや下記の黒単のような構成で使うと映えそうです。

悪魔の職工、想像の5億倍強かった。宝剣に無力だったので、蒸気族が倒せない除去は辞めた方がいいかも（1敗） pic.twitter.com/2HJA95fzg6

— Masahito Masuda (@manohito_masuda) April 16, 2020

アーリーアクセスイベントでもNIMAMEくんと注目して重めのミッドレンジで使ってみましたが、いざ、こういう構成を目の当たりにするとこれ以上ぴったりな構成が無いように感じますね。

 

 

ということで、俺の独断と偏見のカードレビューでした。参考にはならなそうですが、「色んな意見が聞けるの面白いぜ」くらいに思ってもらえると嬉しかです。まだまだ始まったばかりのイコリア環境ですが、早速面白いデッキが目白押しなので皆で存分に楽しんでいきましょー。

 

それでは、ありがとうございました。またね。