どうも。Mtg digging編集部のUs_Apartです。
先週に引き続き、今週も多種多様なデッキでメタが形成されており、この基本セット2020環境が非常にバランスの良い環境なのか、それともただの環境初期でメタが固まっていないだけなのか、とても気になる今日この頃です。
新セットが出るたびワクワクしているのはいつものことですが、今のスタンダードは技術介入度もしっかりあって個人的には過去一かな、ってレベルで楽しいです。ま、俺はスタンダード離れていた時期もあるんで、狭い範囲での話なんですけどね。
では今回は、そんな楽しい楽しいスタンダード環境において、異色な立ち位置を取っているデッキを紹介していきます。
ティムール再生です。
このデッキを使う利点
強い!楽しい!
から使ってるのはいつものことなのですが、現スタンダードには少ないコンボデッキでもあり、コンボ内蔵ながらミッドレンジ然とした動きができ、かつインスタントタイミングで動くデッキという、この少年心くすぐる要素を全部詰め込みました的なミックスグリル定食感あるデッキです。
しかも、かなりテクニックの介在する要素が多く、上手い人が勝ちやすく練習のしがいがあるって点も見逃せないですね。そして、インスタントタイミングでコンボ内蔵で、ミッドレンジとしても動けるデッキというのは対戦相手からすると対策がしづらくてとてもめんどくさいうえ、メタ上の立ち位置もかなり良く、パワフルなデッキです。
このデッキね、本当楽しいっすよ。
カード選択について
《夜群れの伏兵》
《自然の怒りのタイタン、ウーロ》や《サメ台風》が参入する前のティムール再生では勝ち筋を《発展+発破》に依存しがちでしたが、現状の構成では多種多様な角度から攻めることができます。
どうしても非クリーチャースペルが中心に構成されるデッキなので、《思考のひずみ》がしんどく、特にサイド後はクリーチャーカウントを増やしたいのですが、デッキプランとフィットするクリーチャーがおらず(《自然の怒りのタイタン、ウーロ》はクリーチャーではあるものの《思考のひずみ》の墓地追放と相性が悪いので、水増ししてもあまり効果的でない)、
そのため《夜群れの伏兵》をしっかりとメインサイド合わせて採用するプランを取ってます。元々のリストではメインサイド合わせて4枚を取っていましたが、ちょっとやりすぎ感があり、3枚に。とりあえずスゥルタイがもっと流行らない限りは3枚で良いような気もします。
ただスゥルタイが環境にそれなりにいる間は少なくても3枚は欲しいので、この枚数が適正だと思います。また、特定のデッキへのサイドカードというより、メイン採用でも十分強いカードなので、その点もメインサイド合わせて3枚採用をオススメする理由になります。
《荒野の再生》が展開できている時にバカ強くなるカード。基本的にはサイクリングのモードが多いっすね。体感8:2くらいでサイクリングを使ってます。
こいつをよく使うパターンは2点ありまして、1つは相手が明らかにカウンターを構えているであろう場面を打破するパターンで、これはこのカードオンリーの芸当で本当に重宝します。
そして2つ目のパターンは《荒野の再生》を貼っている状態でエンド時にX=4くらいでブッパするパターンです。《荒野の再生》経由で擬似マナ加速しても、6〜8マナくらいまでしかいけない状態だと《発展+発破》を撃つにはインパクトが物足りないので、代わりに《サメ台風》を撃って茶を濁すのが効果的です。
4/4とか6/6飛行が出れば結構場もちがよくなりますし、8マナ出る状態でカウンターを持ってるならX=4(6マナ)で2マナ空けてカウンターを構えながら、こちらは打ち消されない行動を取るという鬼ムーブも可能です。
ただサイクリングのモードは色々と融通が利く代わりにマナ効率はそこそこなので、《荒野の再生》が展開できている状態とそうでない状態でパフォーマンスに差がでます。中長期戦を仕掛けられるマッチアップでは非常に強い代わり、アグロなどの早いデッキでは腐ることも多いので、メタ次第ではありますがメインには4枚なくても良いかと。
《発展+発破》
みんな大好き分割カード。主にこのデッキでは《発破》の面を使うことが多いですね。前述したとおり、基本的にはX=20以上でワンショットキル、という展開は実際のところ少なく、
《荒野の再生》展開からのX=4〜6くらいで盤面の脅威を弾きながら、手札を補充し、ゲームの優勢を固めてから、《サメ台風》や《夜群れの伏兵》、X=10以上のドデカい《発展+発破》あたりをお見舞いする、っていうゲームプランをとります。
なので、一発目の《発展+発破》は牽制として使うことが多く、X=10以上のフィニッシュ手段としての《発展+発破》は(撃つとしても)二発目もしくは三発目くらいで、それなりにゲームの中盤以降の展開になります。
ですが、これらの展開は《荒野の再生》が置いてある前提のことなので、《荒野の再生》が置けてないもしくは置くのが難しい状況の場合は、チャンスさえあれば《発展》の方を使っていくことも考えましょう。
俺が使っていてコピーすることが多い対象は(相手の)《成長のらせん》《耕作》《思考消去》《苦悶の悔恨》《神秘の論争》《否認》《原初の力》《強行突破》あたりかな。
まあ、説明不要のスタンダード屈指のパワーカードでしょう。ただ、他のバントやスゥルタイなどの主要デッキとは少し使い方が違うと個人的に感じた点があるので、共有します。
《自然の怒りのタイタン、ウーロ》は何度も復活し、アドバンテージを供給する上、6/6というサイズもフィニッシャーとして申し分ない性能なので、多くの主要デッキでは《自然の怒りのタイタン、ウーロ》が生き残り、2〜3回殴って事実上のゲームエンドとなることが多く、それを目指すケールも多いでしょうが、ティムール再生ではこういう使い方は少ない印象です。
ティムール再生の場合、フィニッシャーとなることは正直少ないです。まず、こちらのデッキに除去が少ないので、ブロッカーがどきにくく、アタックが通らないので、ライフを詰めることも難しく、同時にPWを落とすのも難しいので、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》の制圧力がフルで発揮されないです。
さらに、こちらのデッキはクリーチャー(とPW)が少ないので、相手の手札に使いどころのない除去が溜まりやすく、その余った除去の的になる《自然の怒りのタイタン、ウーロ》は生き残る可能性がバントやティムールに比べ、かなり低いです。
アタックが通りづらく、死にやすいので、一番多く使うパターンはゲームスピードを遅くすることです。前述した《発展+発破》の一発目と近い役割です。それが《自然の怒りのタイタン、ウーロ》の場合、ライフを回復し、ドローし、相手に除去を使わせることにより行われます。
そうしているうちに《荒野の再生》の準備ができれば、大量のマナから何かしらの脅威を撃ってよし、《ヴァントレス城》でドンドンライブラリーを掘って脅威自体を探してもよし、とにかくかなり固い優位状況を作ることできます。
そういう優位状況が一旦出来上がってしまえば、普段の《自然の怒りのタイタン、ウーロ》君よろしく、優秀なフィニッシャーになってくれます。
ま、大体そういう状況になったら大量のマナから《発展+発破》かドデカい《サメ台風》のトークンでワンショットでフィニることの方が多いので、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》はあまり殴らないんですけどね。
とにかく普段と違う《自然の怒りのタイタン、ウーロ》君の側面が見れるので、使っていて非常に楽しいですよ。
《ナーセットの逆転》
名サイドカード。天敵である《思考のひずみ》に対してベストな回答。その他ではミラーマッチで相手の《発展+発破》に撃ったり、打ち消されない《終局の始まり》なんかにもクリティカルです。
ちょっと面白いお得な打ち方としては、例えば自分の《発展+発破》が相手の《ドビンの拒否権》を食らったときに自分の《発展+発破》に《ナーセットの逆転》を撃てば大元の《発展+発破》がバウンスされ、《ドビンの拒否権》がフィズり(対象不適切のため立ち消え)擬似的なカウンターになりますね。
打ち消せないスペルである《ドビンの拒否権》を(事実上)打ち消せるのはロマンでしょう。
この場合結果として、相手の《ドビンの拒否権》はフィズり、自分の(大元の)《発展+発破》が手札に残り、コピーの《発展+発破》がスタックに残るので、相手のカードを1枚(擬似的に)カウンターした上に手札が一枚増えてる計算です。は?嬉しすぎなんだけど?
この技は自分が元に撃ったスペルがインスタント・ソーサリーかつ、相手がそこにカウンターを撃ってきた場合にのみ使えますが、この場合は相手のカウンターを対象にせず、自分のスペルを対象に《ナーセットの逆転》を撃つとお得になるので覚えておきましょう。
あとはアド損することが多いですが、普通に《ドビンの拒否権》自体に打つこともできます。バウンスするだけなので、またいずれ撃たれますが、一旦どうしても通したいスペルがあるなら使う機会もあるので、覚えておきましょう。ま、要するにロマンスペルってことです。
色んな使い方があるものの、決して雑にサイドインして強いカードではないので、相手のデッキにこのカードの対象がどの程度あるか予測して使うようにしましょう。
ロマンのあるカードので、つい雑に使いたくなるのはウィザーズ側の罠なので、気をつけてください。ソレは知らず知らずのうちに忍び寄ってきています。かくいう俺もかなり危ない目にあってきましたが、なんとか(ストレートエッジ思想により)足を洗うことができました。
あ、はい。
基本的にスゥルタイとミラーマッチ、バント相手にサイドインしてます。
ちょっとしたコツ・注意点
序盤のアクションは前のめりに。
マッチアップによりますが、基本的には序盤はコンボデッキ然として立ち回ることが多いです。具体的にはコンボパーツを探しにいく動きをするので、ドロソをコツコツ撃ちます。
《サメ台風》や《発展+発破》はちょっとでも得になるならX=1でも積極的に撃ちます(《サメ台風》ならX=0でも撃ちます)。結局《荒野の再生》コンボを揃えれば、多少の不利はひっくり返せるので。
急ぐ時は急ぎ、じっくりする時はじっくり
コンボ然とした動きもミッドレンジ然とした動きもできるデッキなので、どちらのモード(急ぐのか、じっくり)で動くのかは常に意識し、どちらにでも対応できるようなるべくギアをニュートラルに、そして流動的に動きましょう。相手がどのように立ち回られると嫌なのか考えると良いでしょう。
分かりやすく、スゥルタイの場合、メイン戦は《戦争の犠牲》などの重いアクションがあるので、なるべくパーマネントの種類を展開しすぎず、構えつつじりじり動き、サイド後は《思考のひずみ》の被害を下げるべく、なるべく早く盤面にカードを展開して手札にカードを残さず積極的に攻めることやマナ加速をゴリゴリしていきます。
最終的に《思考のひずみ》を打たれたときにハンドが2枚追放くらいにで済めば、ほぼほぼ6マナで《精神腐敗》撃たせたようなものなんで、それくらいを目指すと良いでしょう。
最後に
アクション数が多く取れるということは選択が多いとも言い換えることができます。
このデッキは他のデッキより、マナが沢山出るのでアクション数が多く、言い換えると選択の数が多く、かつ他のマナが沢山出るランプデッキなどと比較すると、インスタントタイミングでの動きが多いので、選択のタイミングも多様です。
数ある選択肢の中からどのアクションを選ぶか、そのアクションをどのタイミングで起こすか、そういった思考のポイントが多いうえに、さらに多くのコンボデッキがショートレンジでゲームが終わることが多いのに、このデッキはそうではなく、
ミッドレンジコンボデッキと言いますか、ショートレンジでゲームを事実上決定づけてしまうこともあれば、ロングレンジの末、じりじりとアドを稼ぎ、勝つこともあります。
つまり、そもそも1ターンあたりの思考回数が多いのにもかかわらず、ゲームレンジが長くなり、合計ターン数も多くなることもしばしば、なので最終的に思考する回数が多いゲームになりやすく、その分、未熟なプレイヤーほどミスや最善のとりこぼしが少しずつ積もってしまい損を重ねてしまうため、実力差が出やすいデッキです。
難しいデッキですが、直近の実績やメタから読み解くに、使いこなせた時のバリューが大きいのは明白です。じりじりと詰将棋のように勝つゲームや、コンボをスパッと決めて早々に勝負を決める展開、色々な表情を持つデッキで、個人的には大好きなデッキです(ま、マジックなら大体なんでも好きなんだけどね)。
よかったら、参考にどうぞ。
それでは、ありがとうございました。またね。
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